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〈中核概念〉社会科授業のミライ
JPY 2,970.00
東洋館出版社
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令和9年版・学習指導要領が求める「深い学び」を実装する授業へ! 「中核概念」「less is more」「学年を越える成熟」を結ぶ授業デザインを徹底解説。 500頁超えの宗實直樹理論と実践の集大成! 本書の概要 本書が扱う「中核概念」とは、教師があらかじめ掲げておく言葉でも、子どもに覚えさせる言葉でもありません。子どもが経験し、対話し、調べ、考えつづけるなか
で、自分の内側に少しずつ育っていく、世界を捉えるための枠組みそのものです。 著者はこれを、世界を見るための〈学びの眼鏡〉と呼びます。令和9年版・学習指導要領改訂に向けた中央教育審議会の審議では「各教科等の中核的な概念等(統合的な理解、総合的な発揮)を中心とした、目標・内容の一層分かりやすい構造化」が掲げられ、学習内容の学年区分の弾力化、調整授業時数の制度化が進められています。本書は、その方向を教室の言葉へと翻訳する試みです。 第1章では、中核概念とは何か、それが子どものなかでどう立ち上がるのかを、授業の具体的な姿から描いていきます。 第2章では、教科書網羅主義が教師個人の怠慢ではなく構造から生まれることを教師132名への調査から解きほぐし、「核・問い・余白」という三つの判断からなる「less is more」(本当に学ぶべき内容に絞ることで、豊かに学べるようにする)の原理を示します。 第3章では、概念が学年を越えて書き換わりつづける姿をたどり、縦に接続する単元設計と学校としての引き継ぎを論じます。 第4章では、三つのキーワードを結ぶ「教師の軸」を、教材観・時間観・子ども観、そして評価・問い・板書として描き出します。第5章では、実践そのものを主語に据え、四つの単元を通して、理論が教室でどう働いていたのかを見ていきます。 本書からわかること 「中核概念」とは何か、なぜいま必要なのかがわかる 中核概念は、教師が教え込む用語ではありません。写真を見る、地図を読む、資料に出合う、友達の考えを聞く、地域を歩く―そうした経験を子供自身が重ねるなかで、はじめは無色透明だった子どもの〈学びの眼鏡〉に、少しずつ色が重なっていきます。ビッグアイデア論や「見方・考え方」との関係、中教審ワーキンググループの議論を整理しながら、中核概念が子どもの内側に根を下ろしていく過程と、そこでの教師の役割を明らかにします。 ●中核概念=子どもの内側に育つ〈学びの眼鏡〉という捉え方 ●ビッグアイデアがもつ四つの性質(転移可能性・永続性・構造性・発展性) ●経験から概念へ、そして世界の色づけへ――「学びの循環」と教師の役割 ●3年「買い物弱者」の授業に見る〈相互依存〉の立ち上がり ●補説:社会科教育の理論からみた「概念」の位置づけ 教科書を網羅しない「less is more」の授業づくりがわかる 「全部扱わなければ」という感覚は、教師の怠慢や思考停止から生じるものではありません。正当性・実務制度・学校文化という三つの構造のなかで、合理的な判断として形成されてきたものです。 本書は、著者が実施した社会科教師132名へのアンケート調査からその構造を可視化したうえで、何を基準に授業を絞るのかを説明可能な形で示します。少なく扱うのではなく、教師の側により多くの構想と判断があるからこそ、授業は静かになり、焦点が定まるのです。 ●教科書網羅主義を生む三つの構造(教師132名へのアンケート調査より) ●[判断①]核を決める――この単元で、どの見え方を育てるか ●[判断②]問いを立てる――問いは「考えさせる技法」ではない ●[判断③]余白を満たす――教えないからではなく、働いているから ●3年「市の移り変わり」・4年「防災」に見る、絞る判断の実際 学年を越えて概念を育てる単元設計と、教師の「軸」の立て方がわかる 3年生で「買い物をとおしてつながりが生まれる」と語った子どもは、4年生の防災単元では「つながりはふだんから築いておくもの」と語り直します。中核概念は単元の終わりに完結するものではなく、別の事実・別の学年に出合うたびに書き換わりつづけます。学習内容の学年区分の弾力化や調整授業時数は、この複数年の時間軸を制度の側から認めようとするものです。ただし、制度が時間を開いただけでは中核概念は成熟しません。それを子どもの育ちに使えるかどうかは、教師が立てる軸にかかっています。 ●学年区分の弾力化・調整授業時数がひらく「複数年の時間軸」 ●中核概念は教材の側にはない―教師が自分の軸を立てる手順 ●縦の接続は単元案ではなく概念で行う/学校全体で見方を引き継ぐ仕組み ●教師がもつべき三つの観(教材観・時間観・子ども観) ●覚えた知識ではなく「見方の成熟」を見る評価、短く鋭い問い、板書のデザイン 四つの実践事例から、中核概念がひらく授業の姿がわかる 第5章では、実践そのものを主語に据えます。単元がどのように構想され、どのような資料や人物に出会い、子どもの言葉としてどう結ばれていったのか。その流れをたどると、同じ「対」の概念でありながら、結ばれ方も、中核概念が立ち上がる場所も、四つそれぞれ違うことが見えてきます。人物の深さから、声の交差から、積み重ねの統合から、判断の応答から―立ち上がる場所が違えば、単元を組むかたちも違ってよいのです。 ●4年「丹波焼」〈継承と更新〉―人物を中心に単元を開発する ●4年「南京町」〈共生と多様性〉―複数の声が交差する街を教材にする ●5年「西粟倉村」〈循環と持続可能性〉―14時間の積み重ねを結ぶ最後の1時間 ●6年「コロナと五輪」〈言説と公共性〉―現在進行形の社会を子どもと読む ●四つの実践を貫くもの―「対」の構造と、概念が立ち上がる場所の違い 本書の目次 第1章 「中核概念」は授業をどう変えるのか 第2章 less is more の授業づくり 第3章 概念は学年を越えて成熟する 第4章 「中核概念」「less is more」「学年を越える成熟」を結ぶ授業デザイン 第5章 実践事例集――中核概念がひらく社会科授業の姿