マリ共和国のバンディアガラに居住するドゴンの村で見つかった手乗りサイズの鳥像です。「ギンナ」(gin'na)と呼ばれる特別な家屋に保管されていたもので、長期間使用されていたことを示す質感があります。ギンナはドゴンの村のそれぞれの氏族・家系の中心となる建物で、古くから大切に守られてきました。ギンナという言葉はドゴンの一族や氏族を表す言葉とも深く結びついているようで、先祖から子孫へと記憶をつなぐ「記憶の器」のような場だといえます。 その内部には土や泥を用いて造られた祭壇や祠が設けられていて儀式が行われます。また、一族の長が暮らす場所でもあり、生活と信仰が重なる精神的な中心のようです。ギンナの祭壇に置かれるオブジェは人目につかないように保管されます。このようなオブジェがひっそりと祀られて隠されているのは、その制作過程と象徴性についての秘密を守るためとされます。こちらは長い期間をギンナの祭壇で過ごしてきた儀式のための鳥像です。鳥のイメージはギンナの建物やマスクのデザインに反映されることもありますが、鳥をモチーフにしたオブジェが見つかることは極めて稀です。(はじめて目にしたときはマスクの一部だったものかな?と思いましたが、実際にギンナに祀られていたものとのことで、どうしても手元で眺めたり触れてみたくなった鳥像でございます。)村で起こるさまざまな事態を収束させるために精霊や先祖に祈りを捧げる際に使用されてきました。口元が1本のラインで表現されています。全体的に素朴で抽象的な独自のフォルムを有しています。呪術師が手でこすり表面をなめらかにしたことと経年使用により、黒くてマットなとろみのあるテクスチャに育っています。硬質な木から削り出されているためか、サイズの割にしっかりした重さと存在感があります。目立つダメージ(ワレ・ヒビ)はなく、オリジナルのままの大変良好なコンディションです。もしかすると、隣接するロビの鳥像「バティバ」の影響を受けて、人間と目に見えない世界(精霊)をつなぐ存在として生み出されたものかもしれません。いずれにしてもとても興味深い、これまで手にしたことのないドゴンの像です。証明書等の付属はありませんが、ドゴン地方で収集されたあとオランダの個人コレクションを経て ン・マ へと飛んきた来歴のはっきりしているギンナの鳥像となります。人なつっこい手乗り鳥といった小ぶりなサイズ感です。簡易的な木製スタンド付(本体と固定)です。<参考サイト>ドゴン族 - wikipediaNational Museum of African Art●原産国マリ共和国 Mali ●人々ドゴン Dogon●本体のおおよそのサイズh10.0 cm × w11.0 cm × d4.2 cm(スタンド含サイズ h12.5cm)●重さ(スタンド含)220g●素材木●推定年代1970-1990年頃●来歴Ex. in situEx. private collection(NL)●スタンドの有無有 - 木製の簡易スタンド(本体と固定)●商品数1点【重要】*こちらのお品には写真の簡易スタンドが付属します*経年による欠け・スレ・摩耗・汚れ等のダメージがございます